妊娠中の定期検診で「逆子になっていますね。」なんて言われたママも多いのではないでしょうか?我が家の息子も、生まれる少し前までは逆子でした。
病院で逆子だと判明すると少しショックを受けてしまう妊婦さんも多いかもしれませんね。妻も少しショックを受けていた様子でした。逆子になったことがショックというよりは「逆子=帝王切開」のイメージがあるために怖くなるそうですね。
そこで今回は、そんな逆子の原因と出産についてご紹介します。
-
-
産休中の過ごし方をご紹介!これをしておけば良かった…と後悔しないために。
会社に勤めている妊婦さんが取得できる「産休」。私は取る前から切迫早産で入院していたため、出産するまで病院で過ごしていました。今思えば「あれやっておきたかったな~」と感じていることがいくつも・・・。そこ ...
目次
逆子とは
一般的に、赤ちゃんはママのお腹の中で下を向いていますよね。頭が下に降りていて、普段は逆立ちをしたような体勢になっていると思います。
しかし、逆子というのはその逆、赤ちゃんの頭が上を向いています。医学的には赤ちゃんの体勢のことを骨盤位と呼びます。
産婦人科では骨盤位という言葉を使われる場合もあるので、先生が「骨盤位が〜」みたいな話をしたら赤ちゃんの体勢のことを言っていると思えば大丈夫。
赤ちゃんは子宮から産道を抜けて出てきますよね。その時に頭が下を向いていればスムーズに産道を抜けられるのですが、逆子になっていると自然に出てくることが難しくなります。足から出てくるので、頭が産道に引っかかってしまうケースがあるんです。
そのため、逆子になっている場合には自然分娩が難しくなります。帝王切開になるケースも多くの場合は逆子が原因ですね。
赤ちゃんの体勢は入れ替わる
妊娠初期〜中期の頃はまだまだ赤ちゃんも小さく、子宮の中で動き回ることができます。体の大きさに比べて子宮のスペースが広いので、頭を上に向けたり下に向けたりと動き回っているんです。
そのため、妊娠中期のころには30%〜50%くらいの赤ちゃんが逆子になっています。もし、まだ妊娠中期の頃で逆子に悩まれているママがいるのであれば、それは悩む必要はありません。まだまだ赤ちゃんは動き回りますからね。
しかし、妊娠後期になると赤ちゃんも大きくなり、子宮の中にスペースがなくなってくるので赤ちゃんの体勢も固定されてきます。頭が大きく発達し重くなるので、通常だと頭が下を向きます。
この時に何らかの理由で頭が下を向かないと、頭が上を向いたまま固定されてしまうんです。これが逆子になる原因です。
逆子というのはよく聞く言葉ですが、実は全体の3%〜5%ほどだそうです。思ったよりも少ないんですね。
逆子の種類
一言に逆子といっても、実は色々な種類があります。何でもかんでも逆子体操を行なって直さなければいけないわけではないんですね。
殿位
殿位というのは赤ちゃんのお尻が下を向いている状態を言います。逆子というと、足が完全に下を向いている状態を想像するかもしれませんが、お尻だけ下に突き出している逆子もあるんです。
単殿位(たんでんい)
単殿位というのは、お尻が下を向いていて両足が上を向いている状態です。
お尻だけを下に突き出して、頭と足は上を向いています。そのため、エコー写真に足が映っただけでは判断できない逆子です。
最近のエコー写真は3Dエコーというものもありますので、しっかりと確認してもらうといいですね。
全複殿位
全複殿位というのは、お尻が下を向いていて膝を曲げて抱え込んでいる状態です。
エコー写真で見ると、体育座り(三角座り)しているように見えるかもしれません。この体勢になっていると、体を丸めているのでグルグルと回転して頭が下を向いてくれるかもしれませんね。
不全複殿位
不全複殿位というのは、全複殿位のような状態で片足だけを上にあげている状態です。
体育座りをしながら、片足だけ頭に向けて上げています。大人がすると、なんだか苦しい体勢になってしまいますが、赤ちゃんは関節も柔らかく羊水の中にいるので負担も少ないでしょう。
膝位(しつい)
膝位というのはその名の通り、膝部分を下に向けている状態です。殿位のように座った体勢にはなっておらず、少し不自然な体勢に見えます。
全膝位
全膝位というのは、両足の膝を曲げ、膝が下を向いている状態です。
全複殿位と同じように三角座りをしているように見えますが、全複殿位はお尻が下を向いています。しかし、全膝位の場合は膝が下を向いているので、完全な逆子には見えないかもしれませんね。
不全膝位
不全膝位というのは、片足だけ膝を曲げており、もう片方の足は上へあげている状態です。
不全複殿位と同じような体勢ですが、こちらは膝小僧が下を向いている状態です。足を開いた状態で、エコー写真を見るとなんだか苦しそうに見えます…。
足位(そくい)
足位というのは、赤ちゃんの足が下を向いている状態です。足がしっかりと下を向いているので、「この状態だと元の体勢に戻らないかも。」と思われるかもしれませんが、実際には赤ちゃんも移動するので心配ありませんよ。
全足位
全足位というのは、両足を伸ばしてママのお腹の中で赤ちゃんが立っているような状態です。
エコー写真を見ると、しっかりとお腹の中で立っているように見えるので、なんだか可愛いです。
不全足位
不全足位というのは、片足を下に向け、もう片方の足を上に上げている状態です。
ここまでくると完全にバレリーナですね。赤ちゃんがお腹の中でI字バランスの練習をしているような体勢に見えます。
Point
出産のリスク
逆子といっても色々な体勢があります。赤ちゃんの出産リスクが高い順に
足位 > 膝位 > 殿位
となります。逆子のリスクについては記事後半に書かれているので確認して見てください。
妊娠後期、逆子になる原因は
妊娠後期の時期に逆子になってしまう原因ははっきりと解明されていませんが、以下のようなことが原因だと考えられています。
それぞれのケースをみていきましょう。
母親側(母体側)の要因
逆子になってしまうのには、ママの体にも原因があります。
狭骨盤(きょうこつばん)
狭骨盤というのはその名の通り狭い骨盤、つまり骨盤自体が小さいために起きる逆子です。
骨盤が小さいと、赤ちゃんがお腹の中で動き回るスペースがなくなるので逆子になりやすくなります。体が大きく成長してきた頃には、下を向こうにも骨盤が小さく移動できなくなってしまうんですね。
我が家の妻も骨盤が小さく、逆子が心配されていました。しかし、骨盤が小さいと絶対に逆子になる訳ではありません。産婦人科で骨盤のことを言われたとしても、それだけでショックは受けないでください。
我が家もしっかりと逆子は直りましたよ。
前置胎盤(ぜんちたいばん)
前置胎盤というのは胎盤の異常状態です。へその緒とつながっている胎盤が通常よりも前の位置(下側)にある状態を前置胎盤と言います。
胎盤の位置が低い場所になるので、胎盤が子宮口を防いでしまう場合もあります。そうなると妊娠中にもひどい出血を経験したり、母子ともに危険にさらされる可能性があります。
前置胎盤が起きる原因ははっきりと解明されていませんが、子宮内が傷ついたり、子宮口付近に変形が起きたりすることによって前置胎盤になると言われています。
- 過去に子宮手術を行なっている
- 喫煙習慣がある
- 高齢出産
などが原因と言われていますので、まずは禁煙から初めてみましょう。
低置胎盤(ていちたいばん)
低置胎盤というのも前置胎盤と同じような状態のものです。
前置胎盤というのは、胎盤が下がってきていて子宮口を塞いでいる状態を言いますが、低置胎盤は子宮口が塞がってはいない状態です。子宮口付近2cmくらいまで胎盤が近づいている状態です。
痛みを感じることは少ないのですが、子宮からの出血が起きる場合があります。出血が起きた場合には安静にして産婦人科を受診しましょう。
低置胎盤も前置胎盤と同じように原因はしっかりと判明されていません。タバコを吸う人はまず禁煙することをオススメします。
赤ちゃん側(胎児側)の要因
逆子になるのには、やはり胎児の状態が大きく関係しているようです。
双子、三つ子など多胎妊娠
双子、三つ子が出来ると喜びも倍増するでしょう!
しかし、同じ大きさの子宮に2人も3人も赤ちゃんが育っていると、やはりスペースが足りなくなってきます。子宮内のスペースが狭くなるので、どうしても赤ちゃんが体勢を変えられずに逆子になってしまうケースがあります。
お腹も大きくなって逆子体操をするのも大変でしょう。そのような場合にはしっかりと安静にして産婦人科へ相談することがオススメです。
羊水過多(ようすいかた)
赤ちゃんはママのお腹の中で羊水と呼ばれる水に守られていますね。赤ちゃんが成長するにつれて羊水の量も増えていくのが普通です。
しかし、羊水が以上に増えてしまう場合もあるんです。それが羊水過多。
普段の生活をしているとあまり気づかないのかもしれませんが、体重が急激に増えたり、子宮が大きくなって痛みを感じたりした時に羊水過多と診断されるケースが多いようです。
赤ちゃんは羊水の中に浮いているので、羊水が増えすぎると体勢を整えにくくなります。そのため、頭が上を向いた状態(逆子)になってしまうことがあるんです。
胎児の奇形
また、赤ちゃんの奇形によって逆子になっているケースもあります。奇形の中でも、水頭症になっている場合は逆子になりやすくなります。
水頭症というのは、赤ちゃんの頭の中に異常に水分を含んでいる状態を言います。頭蓋骨の中に異常に水分がたまり、脳室が拡大してしまう奇形です。
水頭症になると、その水分によって脳が圧迫され障害につながるケースもありますし、頭に水分を含むことによって頭が上を向きやすくなります。また、頭が大きくなるので体勢も変えにくくなってしまいます。
このように奇形によって逆子になっているケースもあるので、産婦人科でしっかりと診断してもらいましょう。
逆子のリスクは出産時にやってくる
妊娠中、逆子になっているからといって妊娠中のリスクはそれほどありません。逆子であっても胎児はしっかり成長してくれますし、ママの体に負担がかかることもありません。
逆子のリスクは出産の時にやってきます。
逆子状態では自然分娩は難しいです。足が下を向いているので足から出産することになり、赤ちゃんが上手に参道を通れなくなってしまうんです。
また、産道入り口に足が引っかかってしまい、赤ちゃんがなかなか出てこれず、ママが大量の出血と激痛を経験する可能性があります。また、へその緒が絡まってしまう可能性も高く、分娩に時間がかかってしまう場合も多くあります。
分娩に時間がかかりすぎると赤ちゃんへの酸素供給が追いつかなくなり、低酸素状態での出産になってしまいます。低酸素状態では赤ちゃんが仮死状態で生まれてきたり、脳にダメージを受けてしまい後遺症が残るケースもあるんです。
そのため、出産時にも逆子が治っていない場合には帝王切開での出産になるケースが多くなります。
帝王切開はいつ判断するのか
出産時に逆子になっていると帝王切開を行うと言いますが、実際にはどのタイミングで判断するんでしょう?出産間際になってからいきなり「帝王切開で出産します」なんて言われてもびっくりして心の準備ができませんよね。
この点、産婦人科によっても違うのですが、たいていの場合は妊娠36週までに逆子が治っていないと帝王切開になるケースが多いようです。妊娠30週〜35週くらいまでは逆子を治す方法を試しつつ、35週を過ぎた時点で決断しなければいけないようですね。
逆子でも自然分娩になるケース
しかし、逆子といっても全てが帝王切開になるわけではありません。
逆子で帝王切開になるというのは、逆子が原因で通常の出産(自然分娩)が難しい場合です。つまり、逆子であっても自然分娩ができるような状態であれば帝王切開ではなく自然分娩を勧めてくれる産婦人科もあります。
赤ちゃんの体勢をエコー写真で確認し、しっかりと体が参道を通れるような体勢になっていれば自然分娩が可能です。
この点はママが判断することはできないので、しっかりと産婦人科の先生に相談する必要がありますね。
逆子を治すには逆子体操?
赤ちゃんが逆子になった場合、最初に思いつくのが逆子体操ですよね。いろんなポーズを取ることで赤ちゃんの動きが活発になり、逆子が戻ると言われています。
妊娠30週を越えた頃に行うと効果的と言われていますが、実は逆子体操には危険な一面もあるようです。
こちらの記事で逆子体操について紹介しているので、気になる方はご覧ください。
-
-
逆子体操をしすぎるのは危険!?ママに知って欲しい逆子体操の本当の話
妊娠中、おなかの中にいる赤ちゃんが逆子になってしまった!なんて聞いたことありませんか? 逆子って聞くと、なんだか危険な様子のように感じますよね。でも、意外と逆子になっている方って多いんですよ。そこまで ...
逆子体操以外にツボ押しや外回転術で逆子を治す方法もあるようですね。
逆子を治すツボ押し
三陰交と至陰と言われるツボは赤ちゃんの逆子を治すのに効果があると言われています。
三陰交というツボはくるぶしの内側から指4本分離れたふくらはぎの箇所にあり、至陰は足の小指のすぐ外側にあります。その場所をツボ押ししたり、お灸で刺激したりすることによって赤ちゃんの逆子を治す方法です。
しかし、この方法もはっきりとした原理が明確になっていないので、確実な方法とは言えないかもしれません。
外回転術による逆子矯正
外回転術と言われると、なんだか恐い印象を受けてしまいますね…。
しかし、これはご自分で行うものではなく産婦人科で先生に行なってもらうマッサージになります。
先生がママのお腹に手を添えて、お腹をぐるりと回転させることによって逆子を直します。子宮収縮を薬で抑制し、骨盤をグッと持ち上げた状態でこのマッサージを行います。
マッサージといっても、うねうねと揉むようなものではなく、赤ちゃんの頭の位置を確認しつつ体勢をぐるっと入れ替えるものです。
この方法は、他の2つ(逆子体操、ツボ押し)に比べるとかなり逆子の治る確率が高いと言われています。外回転術を受けたママの60%以上が逆子矯正に成功しているようですね。
しかし、やはり子宮をグッと押さえつけるものなので、それなりのリスクがあるようです。赤ちゃんが成熟していなければいけませんし、帝王切開経験のあるママは外回転術を受けることはできません。
ママの体全てが正常な状態にある時に外回転術を受けることができるようですね。
寝る方向を変えてみる
逆子が治りにくい、でもリスクのある方法は恐いという方も多いでしょう。そのような場合はまず寝る方向を変えてみるといいかもしれません。
これは妊娠28週目くらいから効果を感じられる方法で、ママが横向きになることで赤ちゃんが移動することがあります。
- 赤ちゃんの背中が右側にある場合には、ママは左側を下にして
- 赤ちゃんの背中が左側にある場合には、ママは右側を下にして
寝ることによって、赤ちゃんがお腹の中で移動してくれる可能性があります。赤ちゃんの背中が上になる(うつ伏せになる)ように寝ると、赤ちゃんが移動してくれるんですね。
まずは、生活する時の姿勢から見直してみるのが手軽でいいかもしれませんね。
逆子になってもストレスを溜めずに
赤ちゃんが逆子になっているとわかると、どうしても「逆子治らないかな、何すればいいかな」と考え込んでしまうかもしれません。
逆子が原因でイライラしてしまったり、ストレスを溜めてしまうのはママの体によくありません。また、胎内にいる赤ちゃんいも悪影響を与えてしまう可能性があります。
ストレスを感じると、ママの体はこわばってしまい子宮まで硬くなってしまう可能性もあります。ストレスを感じていると思ったら、体をゆっくり休めることも大事です。
- あったかい飲み物を飲んで、体を休める
- ウォーキングなど、軽い運動をする
- お腹の赤ちゃんに話しかける
など、リラックスした時間を持つことが大切です。
産婦人科の先生に相談するのもいいですし、パパに相談するのもいいですね。赤ちゃんのことなので、パパにもちゃんと協力してもらいましょう。
-
-
ベルタ葉酸サプリを効率的に吸収したい!オススメの飲み方は何?
サプリの多くは、「1日〇粒」や「〇〇一緒に飲んでください」とパッケージに表示してありますよね。でも、1日のうちこのタイミングで飲めばいいとか、1回〇粒とかなど具体的な表示はされていません。間違った飲み ...